2024年04月14日

大阪市立東洋陶磁美術館がリニューアルオープンした!

大阪市立東洋陶磁美術館が2年2か月ほどの休館を経て、
一昨日、4月12日(金)にリニューアルオープンした。
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ぼくが日建設計に在職中に関わった建築の中で最も思い出深いもので、今回のリニューアルは同じ日建設計の後輩〜かつての同僚が担当した!
すばらしい出来栄えで、新たな命を吹き込まれたと思う!
これからも長く生き続けるに違いないことがうれしい!!
そこでこの機会に、この美術館の歴史を振り返ってみたい。

美術館設立の発端は、かつての「10大商社」の一つ「安宅産業」がオイルショック期に破綻、世界的な陶磁コレクションとして有名だった「安宅コレクション」の散逸が危惧されたが、大阪市の要請を受けた住友銀行の決断により、コレクションと美術館設立資金のすべてが、住友21社より大阪市に寄贈された。
美術館設計者の指名設計競技が行われ、3社の中から日建設計案が選ばれた。
選ばれた理由は後ほど・・・
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設計者に選ばれて改めて敷地を訪れて丁寧に調べたところ、全体がクスノキなどの樹木に覆われただけの森だと思っていたのが、
分け入ってみるとその中にそれほど広くない広場があり、片隅に忘れ去られたように「関市長像」が立っていた。
御堂筋をつくった市長さん!ということは知っていたので、美術館の前庭として「関市長像のある広場」をつくることにした。
その広場から階段を数段ずつ上った先の、中央公会堂の軸線上に美術館の入口をつくることにした。
1階の床は大阪市内の防潮堤より10cm高くして、防潮対策に万全を期した!
その前に設計に関わった中之島の建築、淀屋橋を挟んで建つ日本銀行大阪支店&大阪市庁舎からの「申送り事項」であった。
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1982年開館直後の写真で、
↑_左端に「関市長像」が!・・・少し欠けていて残念!!

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これは1999年に東側に増築した時の写真で、美術館との関わりはこれが最後となった。
そして一昨日!
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開館直前に「弁護士会館」から見た全景
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A:風除室、B:エントランスホール、C:カフェ
増築部分を観察〜想定して Bing map に記入してみた!
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堂島川より・・・中央の高いのが B:エントランスホール
右の低く抑えているのが C:カフェ_中之島で最高の立地!
周囲に溶け込んですばらしい!!
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階段を上がり、風除室を経て左のエントランスホールへ、
緩やかな螺旋階段を上ると自然に館内へ導かれる。
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風除室の壁の館銘板は、住友銀行の伊部恭之助会長の揮毫で、磯田一郎頭取が「伊部さんに!」とおっしゃったから!とのこと。
各文字数枚づついただいた中から選びだした上で微妙に拡大縮小の上配置、「大阪市立」はサブタイトルなので小さくした。

設計競技の条件の中に「陶磁器を自然採光で鑑賞させる」というのがあった。
そこで「展示ケースの上部にトップライトを設ける」提案をしたところ、それが決め手となって設計者に選ばれた。
いざ設計に取り掛かると、全面的な採用には膨大なコストがかかる!ということで、「青磁」の部屋に限ることになった。

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この写真のトップライトの下が自然採光の入る展示ケース。
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「青磁」は、自然光と人工光で見え方が激変する!
そのことを、住友銀行の屋上と室内で見比べさせられたことは生涯忘れられない。
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2階の「10」の部屋が「自然採光展示室」
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この図で分かるように、正面と両側面で上部の「光ダクト」の形状が異なるため明るさが揃わず、竣工間際になって慌てた!
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1982年10月ごろだから、39歳だ!今80歳!!
展示ケースの中に入って「光ダクト」の調整に苦闘中のところ・・・
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これは敷地最西端=最先端からの写真。
「関市長像」が収まるに相応しい場所を得られた気がする。
最後に残った一本のクスノキと共に!
因みに関一(せきはじめ)市長は、地下鉄御堂筋線や大阪市バスの開業、大阪城天守閣の再建などなど・・・まさしく「大阪の父」!
それから、本美術館設立に奔走された大島靖市長のことも忘れられない!
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2024年03月17日

国宝「東福寺三門」の「太閤柱」が無かったら!

気になって仕方がない「太閤柱」ですが・・・
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写真から「太閤柱」を消してみました!
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あまりの軒の出の大きさが心配になった太閤秀吉が、
柱を寄進するまでの150年間はこうだったのだ!

「東福寺三門」へは、京阪電車「鳥羽街道」駅から徒歩10分ほど
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「涅槃図」は来年3月の「涅槃会」まで観ることが叶いませんが、
「三門」は時々特別公開されているようなので、是非お訪ねください!
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posted by yoko at 10:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築

2024年03月16日

国宝「東福寺三門」の「太閤柱」

待ちに待った東福寺涅槃会の日が来たので行ってきました!
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↑これは、京阪電車の鳥羽街道駅を下車して東福寺へ向かう途中で見かけたポスターです。

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南門から境内に入ると先ず三門があるのだが、
涅槃会に合わせて三門も特別公開中なので、迷わず入ることに!
因みに東福寺は、東寺と供に京都では最も好きでよく訪れるお寺で、とりわけこの三門は日本一だと思っている。
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楼内には柱が東西に2本あるだけのほぼ無柱空間で、
建築的にも美術的にも素晴らしい!心奪われる空間です!!
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これこそ「やじろ兵衛柱」!
なお、以上2点の写真は印刷物より借用・・・
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回廊から北側の本堂を見る・・・涅槃会に訪れた人たちが見える。
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さて、四隅の支持材〜柱・・・「太閤柱」にガックリ!
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1階にも「太閤柱」
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南からの全景・・・
いつ見ても「太閤柱」が気になって仕方がない!
せめて2階はやめて欲しかった!!
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最初の建物は1273年に造られたがその後火災で何度も焼失、
現在の「三門」は1425年造営されたもので、
その後太閤秀吉が耐震のために四隅に柱を寄進、
それが「太閤柱」の所以なのだが、
だったら150年以上四隅に柱がなかった!
設計した人は悔しがっているだろうなあ・・・
因みにこの「三門」、
1969年から1978年にかけて600年ぶりに全面解体修理された!
その時に構造解析して、四隅の柱の必要性を検証して欲しかったな・・・
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池の南側から「三門」越しに「金堂」を見る。
中に「大涅槃図」がある。
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100年ぶりに4年の歳月をかけて修理がなされた!
「令和の大修理」完成記念の特別公開が昨年の春にあり、
観たのは多分生まれて初めて・・・
齢八十になる少し前だった!!
「太閤柱」
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2024年01月12日

薬師寺東塔にびっくり!!

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薬師寺「東塔」の特別公開が15日(月)で終わるので、
昨日行ってきた!

▼これは昨年4/21の落慶法要の日の写真で、
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法要の後「東塔」に入れるのだったが、
順番といっても2000人なのでいつ回ってくるか!?分からず、
4月28日からの公開に出直すことにしたのだが・・・

▼いただいたパンフレットの「心柱」の写真が記憶に残り、
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▼こんな「心柱」の記事も脳裏に焼き付いて・・・
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「心柱」を見たい!見れる!!の思いイッパイで出かけた!
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南門前の駐輪場に自転車をロックしイザ!
南門の西(左)側の入口からIN!
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昨春以来の「東塔」だ!
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回廊を通って「東塔」へ向かう!
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回廊南東のコーナーから
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東側から見上げる
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昭和51年の図面には階段が西側にしかないが、今は4面に!
解体修理の時に4面とも付けられた!ということになる。

回廊に上がり、開かれている北側から中へ入ってびっくり!
「心柱」の外側の4本の柱に黒い彫刻の壁が!!
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ところがびっくりしたのが間違いで、
「釈迦八相像」のことは冒頭のチラシに記載されていて、
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このことは昨年の法要の時に既に知らされていたのだ!
「心柱」が見たい!「心柱」が見れる!!というのは、
老人の愚かな思い込み!としか言いようがない。
その上「西塔」同様、この作品にはなじめない。
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もう内陣に入ることはないだろう・・・と思いながら、
外に出て改めて正面から見上げ、
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斜めからも見上げ、
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ズームアップ・・・
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その後、「西塔」には寄らず「金堂」へ
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お坊さんが読経されていて、
美しいバリトンの声が内部空間に響き渡って感動!
「薬師如来」「日光」「月光」に拝観の後、
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「講堂」はパスして回廊外周を時計回りに進み、
「東金堂」で「聖観音菩薩」を拝観した後南側から
回廊越しに「東塔」「西塔」を見る
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回廊の東端から北方向を見ると・・・
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美しい!
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帰路に就いたのは午後3時半ごろかな・・・
家まで6km弱なので、自転車だと30〜40分ほど。

因みにこの特別公開は、1月15日(月)までです!
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2023年11月04日

もうひとつの五重塔

先月「二つの五重塔」として、興福寺と東寺をとり上げたが、
さらに加えれば、法隆寺や室生寺、山口の瑠璃光寺・・・
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▼これも素晴らしい!!
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◉海住山寺の五重塔で、裳階(もこし)付きはここと法隆寺だけ!
今特別開扉中で、塔の中まで観ることができる!!
という訳で、一昨日11月2日(木)に行ってきた。
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先ずは家から自転車で近鉄平城駅まで走り、そこから輪行
近鉄京都方面行きに乗り、新祝園駅で下車
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渡り廊下を渡って、祝園駅でJR学研都市線に乗り換え!

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木津駅でJR関西本線に乗り換え、加茂駅で下車!
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加茂駅前で自転車を開き、海住山寺を目指して出発、
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まちなかを抜けて走ると木津川の堤防に突き当たり、
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堤防左岸の道に上って下流方向を見る!
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直に橋があった!木津川橋だ!!
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▲加茂駅〜木津川橋〜海住山寺の往路と復路
加茂駅−海住山寺の標高差は165m_google mapによる
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木津川上流を見る。
江戸時代に東大寺大仏殿を再建した際、その虹梁に使うべく、
宮崎県から瀬戸内海を経由して運搬されてきた
20トンにも及ぶ2本の巨材を陸上に引き上げたのは
この辺りだったのかな・・・などと想像を巡らす・・・
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海住山寺の方を目指す!・・・らしきものは見えない・・・
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やがて標識が現れて、
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坂道になって来て、ペダルを漕いで上るのがキツくなり、
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自転車は「押し!」
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キツい急坂!
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後で知ったのだが、ピンクはコスモスで、
恭仁京跡の目印に植えられた!と標識にあった!!
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これはキツイ!
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急勾配のヘアピンカーブ!
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楼門が見えてきた!!
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道は楼門を迂回しているけれど、
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堂々と正面から!と、自転車を抱えて楼門をくぐり
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楼門から150〜200m程で山門前の階段に到着!
この先に駐車場があり、更に境内まで道が伸びている。
この階段を10数段上ると踊り場があり、
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踊り場から急な階段の上に山門が待ち構えている
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本日は五重塔の中も見れるので、特別料金800円
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山門をくぐると左手に五重塔が見える!
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総高さ17.7mで、室生寺の五重塔に次ぎ2番目に小さい!
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裳階(もこし)がついているのは法隆寺とここだけ!!
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開扉されていて中がのぞける!

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心柱が初重の天井上で止まっていて心礎が無い!
極めて珍しい!
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これはその内部で、
四天柱という4本の柱の中が厨子のようにつくられている!
図録「海住山寺の美術」の写真を転載しています。
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本堂・・・
ご本尊の十一面観音菩薩立像は「東京国立博物館」にご出張中!
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次に本坊へ
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室内からお庭を見る
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本坊庭園は紅葉の時期が最高とのこと!ぜひ再訪したい!!
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帰路は下りでスイスイと思いきや、勾配が急過ぎ、
ブレーキが滑ってよく効かない上に、
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路面に凹凸処理がされていて振動が激しく、
スピードが出せないので徐行運転しながら下る!
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自転車を押して上ってきた・・・ビックリ!!
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平地に出て恭仁京跡へ・・・聖武天皇を想う・・・
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加茂駅と海住山寺のほぼ中間
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ちょうどコスモスが真っ盛り!
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加茂駅に着いたら、ちょうど大和路快速大阪行があり・・・
ここから大阪まで直通で行けることにチョッピリ感動!
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本来なら平城山駅で下車して自転車で帰宅するところだが、
急坂の上り下りでちょっとくたびれたかな・・・
その上ここの駅のホームにはエレーベーターがなく、
跨線橋を渡らないと改札に出られない!
そんなわけで平城山駅では下車せず、
JR奈良駅まで行き、バスを乗り継いで帰宅しました。

海住山寺の五重塔開扉は〜11月5日(日)まで
奈良博の正倉院展は〜11月13日(月)まで
京博の東福寺展は〜12月3日(日)まで
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海住山寺〜恭仁京〜木津川〜東大寺〜正倉院〜
すべて聖武天皇と繋がっています!

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posted by yoko at 12:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築

2023年10月20日

二つの五重塔

「興福寺」の「五重塔」の120年ぶりの大規模な修理工事が始まっているので、今どんな様子か見に行った。
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先づ「猿沢の池」越しに眺めたが、あまり変わった様子はない!

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そばまで行ったらこんな感じで高さ51m、
「東寺」の「五重塔」の55mに次いで日本で二番目の高さ!
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まだ準備中・・・
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「お知らせ」の看板によれば、
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「素屋根」で覆われる来夏からは姿が見えなくなり、
再会できるのは10年後の2033年!
「伊勢神宮」の「式年遷宮」が行われるのも同じく2033年!!
90歳を元気で迎えたいものだ!!!
翌日はもう一つの五重塔を見に、京都の東寺へ!
近鉄東寺駅へ到着する少し前、電車の窓から・・・
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駅から1ブロック西へ、九条大宮交差点から
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境内から
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『東寺のすべて』が開催中で
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左手のテントで入場のチェックをしてもらい
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「五重塔」の初層内陣へ
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これはHPから拝借・・・心柱は正方形
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因みにこれは「興福寺」の「五重塔」で、心柱は丸!
「薬師寺」の「東塔」も丸だ!!
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「東寺」の後は「京都国立博物館」へ
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右手の旧本館はいつの頃からか閉じられたままで、
耐震計画の調査中とのことだが、リニューアル・オープンはいつのことやら・・・
それまで生きていられるかな!?なんて考えてしまう!
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開催中の『東福寺展』は見応えがあってチョットくたびれて・・・
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この日のサイクリングの経路は▲こんな具合
_家〜近鉄「菖蒲池駅」
電車_「菖蒲池駅」〜「東寺駅」
_「東寺駅」〜「東寺・南大門」
【東寺】
_「東寺南大門」から「九条通」を東へ!
「鴨川」に下りて河川敷を北上し「七条通」に出ようと思ったが、
「鴨川」に下りる道が見つからず、車と一緒に「鴨川」を渡ってしまい、
その後は北へ北へと走って「京博」に到着!
少し西にあるカレー屋「壱番館」で昼食を済ませた後、
【京都国立博物館】で『東福寺』展を観…2時間以上いたかな・・・
_【京博】から「七条通」を西へ〜「須原通」を南下〜「八条通り」を西へ

新幹線_「京都駅」15:45_発の近鉄特急に乗車
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しばらくすると右手に「東寺」の「五重塔」が見えるのだが、
近鉄京都線の前身の通称「奈良電」が100年近く前にできた時から
高架だったので、幼いころから電車の窓越しに美しい「五重塔」を見てきた!
ただ当時は雑多な建物は存在せず、眼下に美しい瓦屋根が広がっていたのを思い出す!

幼いころからは「東寺」の「五重塔」を身近に感じ・・・
30代半ばに奈良に転居してからは「興福寺」の「五重塔」に親しみ・・・
これがぼくの「二つの五重塔」のおななしです。

【終】
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2023年05月23日

親鸞聖人生誕850年_その2

今年は親鸞聖人生誕850年!
親鸞聖人といえば浄土真宗で、浄土真宗には「本願寺派」と「大谷派」があることは知っていたが、展覧会情報から「高田派」があることを知った!つまり、これまで知らなかった!!
その本山のあるところで「親鸞と高田本山」という展覧会があることを知り出かけた。

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近鉄特急で津へ!
やってきたのは「アーバンライナー」
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最高級車両で、先端部と最後部はこんな具合!初めて!!
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津駅でJRに乗り換え
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一駅目で下車・・・
県庁の所在地からワンマンカーンとは!ちょっとびっくり!!
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下車したのは「一身田」駅・・・「いっしんでん」と読む。
展覧会に行く前に、高田本山なる「専修寺」を訪れるために!
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駅からほんの数分で「専修寺」に到着
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堂々たる「山門」の正面に「本堂」がある
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手前(東)が「本堂」で、左(西)が「如来堂」
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「如来堂」を前面道路に面した「唐門」から見る
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「専修寺」を後に展覧会のある方へ・・・田植えが始まっている
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文化施設の集まる丘陵地帯が見えてくる
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展覧会のある「三重県総合博物館」=MieMuに到着
この辺りに図書館や大中小ホールなどが集まって建っている!
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この度の「親鸞聖人生誕850年」を機会に多く建築・美術に触れることになったが、
中でも、親鸞聖人を扱った「絵伝」の多いことに驚かされた。
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親鸞聖人生誕850年_その1

今年は親鸞聖人生誕850年!
あちこちでお祝いの行事や催事が行われていて、京都国立博物館では3月25日から5月21日まで「親鸞・生涯と名宝」展が開催されていた。
ぼくが訪れたのは4月14日!1か月以上前のことで、分厚い図録は3,000円だった!!
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次に訪れたのは「西本願寺」で5月16日のこと!
前回のブログで紹介した「東寺」訪問の後のことである。
「東寺」を後にして北へ、JRをくぐり「七条通」に出て、
「本願寺下間大門=猪熊門」へ
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門をくぐって「龍谷大学大宮キャンパス」を通過・・・
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重要文化財◎「大宮本館=南黌」
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「龍谷大学キャンパス」を抜けると「唐門」
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「堀川通」に出ると旗がはためいており、
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向かいに「龍谷ミュージアム」がある!
日建設計の設計で、担当はかつての同僚の赤木隆君!
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親鸞と聖徳太子の縁をよく認識できた展覧会だった!
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「シアター」での上演が終わるとスクリーンが上がって、
「御影堂」が目に飛び込む!という、ここでこそできる演出!!
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その後「堀川通」を渡ると、
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正面にあるのが「太鼓楼」
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そこから歩道を南へ、
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「阿弥陀堂門」から入るのだが、自転車と一緒には入れないので、
自転車を内緒の場所に隠し!
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「阿弥陀堂」に向かって入門。
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「御影堂」では3月29日から法要が行われていて、
この日は[第4期]の最終日!
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ちょうど法要が始まるところでほぼ満席!
席に番号が付いていて予約した人たちが全国から参集!
たまたま空席があったので厚かましくもしばらく拝観!?
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夕刻、この日一日を振り返りながら帰路に!

国宝の「西本願寺・御影堂」は1999年から2008年の間約10年をかけて解体修理されたのだが、
その時日建設計が工事の監修・監理を行ったのだが、かつての同僚の二宮彰君が日本建築に精通しているということで現場に常駐し、見学の案内もしてくれたのだが、その彼は、その後「肺気腫」を発症し若くして逝ってしまった!
何という巡り合わせか!と、法要の時は彼を瞼に浮かべて冥福を祈った!


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2023年05月22日

弘法大師生誕1250年!

今年は弘法大師空海生誕1250年!
あちこちで行われている親鸞聖人生誕850年を祝う行事に比べると特に目立ったものはないようなのだが、ここ東寺では「弘法大師行状絵巻」が公開されているので訪れた。尤も東寺は大好きなので年に数回は訪れるのだが・・・
近鉄「東寺」駅を下車し、「五重塔」を眺めながら「九条通」を西へ・・・
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やがて「南大門」が見えてくる。

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「東寺」では気軽に自転車を持ち込める!

↓これが「境内図」
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下部中央が」南大門」↑
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「金堂」の西側を北へ進む。
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「講堂」の北側に「拝観受付」がある。

「五重塔」の初層が公開されていてワクワク
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この「五重塔」は塔頂迄55m、塔身の高さが40mあり、
日頃見なれているん「興福寺」よりかなり大きく感じる!
因みに「興福寺」のそれらは50mと36mほどかな・・・

いよいよ初層の中へ!
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↑ここに詳しく解説がされているが、
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これは某誌より拝借!

ともかく美しくて夢のような空間・・・
心柱は四角かった!一方、薬師寺東塔は丸かった!!
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これは「東寺」のパンフレットより・・・
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「金堂」正面、御本尊のお薬師様の見える窓がある!
「東大寺」の「大仏殿」を思い出す!!
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iPhoneで「講堂」を撮る!立入禁止柵を背に撮るも、両端が切れる!!
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中は、日本一豪華な仏像群!
この「立体曼荼羅」の写真は「東寺」のパンフレットより。
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つぎに「宝物館」へ
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「弘法大師行状絵巻の修理完成記念展
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次に「宝物館」の北隣の「観智院」へ

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これだけでもすごい「別格本山」真言宗の勧学院
お庭から「五重塔」が見える。

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寺域の北端、「九条通」に面した「北総門」から南を見る!
正面に「北大門」の屋根が見えている。
「北大門」の左手前に「観智院」がある。

この後、親鸞聖人生誕1250年の行事に沸く「西本願寺」と「龍谷ミュージアム」を訪れたのだが、その報告は改めて・・・
夕刻近鉄特急に乗り帰路に。5月11日のことでした。
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近鉄の車窓から見える「東寺」の「五重塔」は生まれて初めて見た「五重塔」で、幼少のころもよく見た塔だ!
幼いころ何度も親に連れられ奈良電で京都に来た時と同じ風景で、奈良電:奈良電気鉄道が1920年代に京都駅まで繋がった時から高架だったから、そういうことになったわけである!!!なんともすごいおはなし(*_*)
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2023年04月21日

薬師寺東塔落慶法要



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コロナのため3年遅れてようやく今日を迎えた!
解体修理が始まったのが2011年だから、寄付をしたのはそれより前ということになるが・・・いつのことだか・・・
参列のご案内が来て5日のうちの初日を希望したら希望通りになった!

参列するからには先ず大池越しに眺めてから!
受付開始が9時ということなので7時50分ごろに家を出発、
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20分ほどで大池に到着!
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あいにく霞がかかっていて、若草山や大仏殿は見えないが・・・

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↑解体修理後の東塔!
右の写真は1872年のもので、その後1898年に解体修理され、
今回の解体修理まではその東塔を見ていたのだが、

その写真が見つかった!!
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2011年3月10日の写真で講堂から南を見る!左が東塔!!
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011年3月10日の東塔!
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その後このようになった!
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これは2015年3月27日の修二会花会式の様子

さて本日・・・
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2000席で5日間だから延一万人が参列することに・・・

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受付開始10分前で既に長蛇の列
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受付を済ませて会場へ!
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法要は10時に始まり12時ごろ終了!
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1300年前と同じものを見ているという感動!
この相輪の下=心柱の足元がどうなったかというと・・・
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腐食していた根元を新たな部材でう埋木された!
ただただ感動の一言に尽きる!!
いただいた冊子に掲載されている写真を転載しました。。。

さてその東塔の中へ・・・
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順番にといっても2000人なのでいつ回ってくるか!?
回ってきても後ろの人を気にしながらでは落ち着かないし・・・

4月28日から来年1月15日まで一般公開されるとのことなので、
改めて訪れることにしました。
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2022年05月09日

薬師寺東塔初層 最後の開扉

今日、令和4年5月8日は、
薬師寺東塔初層の特別開扉の最終日ということなので、
既に何度か見たけれど、最後にもう一度!!
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家から薬師寺に行く時は、薬師寺西側の「大池」を目指す。
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家からは6qほど・・・3〜40分かな・・・
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「大池」越しに薬師寺の方を見ると
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右から「東塔」遠くに若草山を挟んで「西塔」
その左に「金堂」とその左はるかかなたに東大寺大仏殿
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「大池」を反時計回りに回って薬師寺の南側に出て、
「休ケ岡八幡宮」にまず参拝する
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「休ケ岡八幡宮」は薬師寺の護り神!
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国宝◉八幡三神座像
奈良国立博物館に寄託されていて、
時々展示されるので、その時拝観できる
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本殿左の建物を抜けて薬師寺の方へ

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「東塔」が見えてくる」
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「南門」正面
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門を入ると正面に「金堂」
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「金堂」では、只今法要中
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中央の「薬師如来坐像」
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目を東に移すと

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「国宝 東塔 初層特別別開扉」の看板があり、
何と今日がその最終日!だから見のがすまいとやってきたのだ!!
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ところで「東塔」↑と「西塔」↓ 見比べると大違い!!
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「西塔」は創建当時を推定して復元され1981に竣工!
「東塔」は創建から1300年を経ていて、2009年7月から
解体修理が始まり2019年末に完成した。
2020年に落慶法要が予定されていて案内を待っていたのだが、
まだ行われていない。
特別開扉も終わったことだし、もうそろそろかな・・・
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2022年03月15日

「旧三井家下鴨別邸」を訪ねる

京都の観光案内パンフレットで見つけて是非行かねば!
と思っていたので、先週_3月11日(金)に出かけた。
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本日の行程は・・・
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_下鴨神社から西の北野天満宮まで_5q弱
_北野天満宮から京都駅八条口まで_7q弱

京阪電車の出町柳駅を出ると、
直ぐ目の前に懐かしい高野川が流れている。
60数年もの昔から馴染み深い、多くの思い出がある川・・・
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目的地は歩いて直ぐ!

下鴨神社参道の南端、一ノ鳥居の左手前に入口がある。
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近年になって公開されるようになったそうだが、
存在そのものを知らなかった!

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大正時代に加えられた玄関棟の入口から中へ

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3階の「望楼」は限られた空間なので、
人数と時間の制限を設けられていて、早速案内される
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北に「比叡山」標高848m

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東には大文字の「如意ヶ岳」標高472m

2階のお座敷へ
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縁側には意匠を凝らした手摺が付いている!

屋根を見下ろすと
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むくった「降り棟」と、反った「隅棟」は繁栄への願い!・・・

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軒瓦の先端に「三井」の家紋が!

1階のお座敷へ
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縁側から庭へ

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巨木に圧倒される

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中央が江戸時代の「主屋」、
左手前が大正時代に加えられた「玄関棟」、
奥が江戸時代の「茶室」

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「望楼」の腰に雨戸が2枚収納されていて、
上に持ち上げてセットする!

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離れて全体を望む!

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お庭を散策。これはすごい!

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夫婦椋(めおとむく)・・・むくの木!

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見上げる!

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すごい迫力!

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建築とお庭がバランスよく配置されていてこころよい!!

その後は西へ【木島櫻谷旧邸」を目指す!5q程か・・・
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北野天満宮の前を通って
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しばらく行くと・・・あった!
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でもひっそりしていて様子がおかしい!
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案内板は3月12日からになっている!明日からだ!!
確かめたはずだったのだが、ボケたか!ショック!!

という訳で、菅原天満宮で梅を楽しんだ後、
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自転車でぶらぶら京都駅まで戻り、近鉄で奈良へ帰りました。

帰宅して調べたら、
ぼくが持っているチラシには3/5〜になっている!
ぼくがボケているのではなく、
コロナで変更になったことのようです!!
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会期中にもう一度来ます。開いていることを確認の上・・・
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2022年02月21日

東本願寺・御影堂門

毎年恒例の「京の冬の旅」
【京の冬の旅】_2022.1-3.jpg
「東福寺・三門」や「東寺・五重塔」などは毎年訪れるのだが、
「東本願寺」はこれまで門をくぐったことがなかった!

【京の冬の旅】_2022.1-3:東本願寺 御影堂門.jpg
日本一高い楼門初公開!ということなので、先日訪れた。

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幼少のころから奈良電鉄沿線に住んでいたので、親に連れられて京都へ来て、歩いて四条烏丸まで行き右折、大丸や高島屋へ行った思い出(昭和20年代のこと・・・)があるし、学生時代は京都駅から市バスで烏丸通を北上したので、いつも東本願寺を見たことになる。

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京都駅からしばらくすると「東本願寺」が現れる!

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この「御影堂門」を、烏丸通の東側から見る。
えいどう」と読む!唐招提寺のは「えいどう」と読む!!

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門の横の看板!
親鸞聖人生誕850年ということで、

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「御影堂門」も初公開になったのだ!

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正面が「御影堂」なので、この門が「御影堂門」なのだ。

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左手(南側)に階段があり、500円払って入場。

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回廊から京都駅の方を見る。

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順路は半時計回り・・・立派な「扁額」に『眞宗本廟』とある。

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内部写真をHPから拝借。
天井は、2本の梁で三つに区切られた白く平坦面で、竹内栖鳳在世中に描かれた天井画の下絵の写真が展示されていた。
親鸞聖人の次の生誕記念にでも実現して欲しいと思った。

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北に比叡山が遠望できる!
一眼レフをマニュアルでピント合わせすべきところ久々で方法が分からず、金網をしっかり撮ってしまった!

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西にまわると正面に「御影堂」

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「御影堂」を「御影堂門」から望む。

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世界最大級の木造建築とのこと!

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説明版によれば、幅×奥行×高さは、76m×58m×38m対して「東大寺大仏殿」は、57.5m×50.5m×49.1m
確かに平面はこの「東本願寺御影堂」の方が大きいが、高さは「東大寺大仏殿」の方が高くて内部空間も上部まで立ち上がっているのに対して、「東本願寺御影堂」は二つ重なった寄棟屋根の下の方に天井が設けらていて、広い平面に比べて天井が低い印象である。

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回廊
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回廊から「御影堂門」を見る

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↑ウエブサイトの表紙

★この特別公開は、3月18日(金)まで!!
東本願寺 御影堂門 特別公開|【京都市公式】京都観光Navi (kyoto.travel)
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2021年12月24日

誰も知らない日建設計

「誰も知らない日建設計」という本を奈良市立図書館から借りてきた。
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最近出版されたことを知り、自分以外の人にも読んでほしいと思ったので、自ら購入するのではなく、図書館にリクエストを出した。館蔵されていない本はリクエストを出すとほぼ購入してもらえるようなのでその方法を採った!
さてその日建設計とは、ぼくが大学を卒業した1968年から事情があって退職した2000年まで勤めていた建築設計事務所である。
大学4年になったころ、就職先にあまりあてもなく、できれば当時評判の高かった竹中工務店の設計部に行きたいなと思い大学の恩師に相談したところ、白石先生から「あなたは日建設計に行きなさい!」と、「ぼくの知らなかった日建設計」を進められてそのまま従ったのだが、お陰で幸せな人生を送ることができ、亡くなられて久しい白石先生には今でも感謝し続けている。
1968年4月に入社したのは意匠系・技術系合わせて12〜3人!そのうち意匠系は6名で、院卒の3名は東京に、学部卒の僕を含む3名は大阪に配属にされた。
さて入社した「ぼくの知らなかった日建設計」は当時世間でもあまり知られていなかったようで、電話で某メーカーにカタログを請求した時「日建設計の横川ですが!」と名乗ったところ「何石鹸?の横川さんですか!?」と聞き返されたのが忘れられない!それでいつの頃からか日建設計のことを「東京タワーやNHKホール、東京ドームなどを設計した会社」と説明するようになり、みんな分かってくれるようになった。その後更に東京スカイツリーを加えている。
その日建設計という会社はぼくにとって、「会社に貢献すること=社会に貢献すること」と思える会社だったので、在職中は夢中になって働いた。終身雇用が当たり前の時代に働き始めてから常に人生の中心にあったので、退職してからも同業他社で働くことなぞ考えたことはなく、在職中に家に持ち帰っていた設計図の縮小版や資料類もすべて退職後会社に戻した。契約関係がなくなっても「守秘義務」はそのまま守っている・・・みたいな感じである。
日建設計では幸い良い設計機会に恵まれ、今尚ほとんどが健在で、2008年にホームページをつくった際に厳選した在職中の22作品のうち、現存しないのは1975年に竣工した「鐵鋼会館」のみである。
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今から10年ほど前に土地と共に売却されて御堂筋沿いの貸しビルに移られ、2012年頃に解体されたのだが、解体される前にGoogleEarthの写真を切り取っておかなかったことが悔やまれる!この「鐵鋼会館」は竣工時に結構話題になり、「新建築」誌の表紙にもなった。
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「鉄→火→火で焼成されるレンガタイル」で構成した建築!今は無き「名建築」だと思う。
さて、
ぼくが建築設計を始めたころのお手本は、コルビュジェや丹下健三、ルイス・カーンなどどれも素材を生かした建築だったが、しばらくしてミラーガラスが出現し、造形力の無さ!?をミラーガラスで隠蔽するデザインから、隠蔽することでデザイン力を競う時代に変わっていったような気がする。村野藤吾の優れた建築が寿命を終えて〜終えていないものも・・・ガラスの箱に置き変わって行くのは悲しい・・・

「誰も知らない日建設計」という本のことを書き始めたら横道にそれてしまったが、肝心のこの本はというと、パラパラっと見たところ自分の知らないことも多々書かれていて興味深々。まあ本稿はこの本の存在の紹介に止めることにしたい。

日建設計は→https://www.nikken.co.jp/ja/
横川隆一のホームページは→https://www.yokogawa-r.com
鐵鋼会館は→http://www.yokogawa-r.com/architecture/isc/architecture-isc1_temp.html
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2021年04月24日

終の棲家

大学〜職場の2年先輩で一歳年上の先輩_Tさんから「転居のお知らせ」が届きました。
「『終の棲家』と思って建てた家も25年経ってあちこち傷み大規模修繕も考えたのですが『終活・断捨離』してマンションに移り住むことにしました。」とのこと!
お住まいが首都圏なので条件が違うでしょうが、でも25年ですか・・・ぼくの方は今年44年目になります。
因みにぼくは、昭和18年生まれ、「終の棲家」を建てたのは34歳の時ですが、今もその棲家が気に入っています。

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これは、建築雑誌「新建築」誌1979年2月号「住宅特集」に掲載された時のものです。
当時はまだ月刊誌の「新建築住宅特集」はなく、「新建築」が2月号と8月号の年に2回「住宅特集」を組んでいた時代でハードルも高かった!なので掲載は、ぼくの建築家人生のヒットの一つでした!
特に左の写真が素晴らしい・・・トップライトからの光の入れ方の絶妙さには驚かされました。
掲載に際して「擁壁沿いの家」と名付けたこの家は今も健在です!!
入居したのは1977年の大晦日でしたが、コンクリートが十分乾燥しておらず、翌日の元旦妻が肺炎を発症してしまったのでした!
↓「擁壁沿いの家」
architecture-ykh1_temp.html (yokogawa-r.com)

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これは1993年1月早々、関西文化学術研究都市の「けいはんなプラザ」の竣工直前に航空写真を撮影するため、朝日新聞社の屋上から飛び立ったヘリコプターに寄り道してもらって撮影したものです。

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これは北東方向からの近況

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これは1999年6月_22年前のもので、擁壁の北側一帯は当時まだ農地のままだった!
下の航空写真の斜線の範囲です。
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ある時期を境に住居が増え続けて今日に至ります。

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これは2005年3月_16年前のもので、庭にケヤキの大木が見えます!!

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その庭のケヤキのビフォーアフター
敷地が盛土で地下水位が深いため大きく育ったのでしょう!

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前面道路側
植えた時はヒョロヒョロだったケヤキは、20数年にしてこの街一番の大木に育ったのだったのですが、秋の落葉の時期になると、東西数十軒のお家の前に散らばり、それを集める毎日が続く・・・それに耐えきれず移植を検討したのですが、大き過ぎて道路通行の許可が得られず、伐採を決意しました( ノД`)シクシク…
なお、
車庫の上部のコンクリート壁は「グリーンウォ―ル」を意図したものですが、壁の向こう側の土に植えたツタがうまく生育せず・・・不本意にもこのような醜態をさらし続けています。

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2008年3月6日、ケヤキを伐採する日の朝の美しい雄姿!

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2008年4月22日、吉野の銘木屋さんに預かってもらい、
数年間の乾燥の後加工、今は書斎でデスクとして使っています。
厚さ3cm、3枚継でW×L=100cm×160cm

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これは昨日撮影したものです。
我が家は、バス通りの交差点から緩やかに下って90mほどの正面にあります。
1970年代の中頃、当時京都の男山団地_京阪樟葉駅よりバス_に住んでいたのですが、奈良の学園前近くに分譲宅地売り出しの情報を知り、楽しかった奈良での中学時代が強い動機となって、価格を前提に「ここだ!」と飛びついた場所です。
忘れもしない受付開始前々日の夕方、現地事務所の小屋に着いたら「ここ」希望はぼくだけだったので記帳して順番待ち!その1時間ほど後に現れた足立さんも「ここ」をご希望でしたが、ぼくを説得するのは困難と悟って西隣を購入されたのでした。
二晩現場小屋で過ごした後、契約にこぎつけた時のうれしかったことが忘れられません!!
当時はまだ「菖蒲池遊園地」のあった時代で、その横を通り丘を越えて・・・徒歩でしか行けない場所で、まさか循環バスが来るようになるとは思いませんでした。

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間口_15m×奥行_20m程の南北に長い敷地の東側に、間口_4m×奥行_16m、RC造2階建て
東隣との生垣に植えたカロライナジャスミンという蔓性の植物が、40数年を経て車庫の上のコンクリート壁を覆う気配を見せ始めました!

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現時点の google map の航空写真です。

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最寄りバス停まで2~3分、バスで近鉄学園前駅まで10~15分、バスは15分間隔で平日のラッシュアワーは増便
最寄駅の近鉄菖蒲池駅まで徒歩15~20分
京都へ行く時は自転車と一緒なので、自転車で近鉄平城駅まで10~15分
自転車でのんびり走って、平城宮跡迄30分、奈良公園まで1時間
徒歩で秋篠寺や大和文華館へ行くことも多い
「ここ」と「この家」を本当に気に入っているので、Tさんの追記に「・・・次は老人ホームか (笑) 」とあり、怖くなりました。

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北側に飛び出している、いわゆるリビングダイニング空間です。
中央は、マルセル・ブロイヤーの名作ワシリー・チェア
両側の箱はDIATONEの名器DS-503
その両側に折り畳み自転車2台
左端の黒いシルエットは、PanasonicのプラズマTV_2009年製

上からの光の帯が時間とともに現れて動きやがて消える。
季節と時間で太さと角度が異なる。

ここを『終の棲家』として死守するぞ!と、
改めてそう思わせる「Tさんのお知らせ」でした。

↓ 詳しくは HP を



posted by yoko at 17:54| Comment(1) | TrackBack(0) | 建築

2020年09月16日

隈研吾設計の建築

隈研吾設計の建築が完成し、
見学する機会があったので行ってきた!
奈良市立一条高等学校講堂・・・
東西に走る幹線道路に面した北側にあり、
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講堂の金属板葺きの大きな屋根が道路から見える
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校門を入って左手‗西側
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ファッサードは例によって木製のルーバー
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奈良県産の杉板、幅20cm、厚さ3cm
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ルーバーの軒裏が
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そのまま室内へ・・・
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天井の高い「ホワイエ」
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壁に木製のプレートが!
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実はこの講堂、老朽化したため建て直されたのだが、
2020年が創立70周年ということで、
同窓会で寄付を集めて、新国立競技場を設計した
世界的建築家の隈研吾さんに設計を依頼した!
という訳で、
このプレートは寄付者のリストなのです!!

講堂の中へ!
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舞台に立つ
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ステージにもなる平土間は可動席:360席
その後方に固定席:628席
2階は吹奏楽スペースにもなる客席で、
固定式:150席、可動席:60席
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舞台から客席を見る
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2階席から舞台を見る
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11月のオープニングセレモニーに向けて最後の仕上げ
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座席表示は単なる列と数字の表示ではなく
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例えば・・・
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ホワイエから東方向を見る
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その向こう、
学校の東側には国道24号線バイパスが走っていて
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その道沿いにおもしろいものを見つけた!
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↓クリックすると読めます!
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posted by yoko at 20:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築

2020年03月28日

薬師寺東塔

一昨日薬師寺に行ってきた。
12年の歳月をかけてようやく解体修理が完成した東塔!
見るにはやっぱり先ずこちら、大池の方から。
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右(南)から北(左)へ順に「東塔」「西塔」「金堂」

右遠くに若草山の山肌が見える。「金堂」左のズーッと遠くに小さく見えるのが東大寺大仏殿!
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境内南側「中門」のある塀越しに「東塔」を見る。
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初層は白い壁!「西塔」にある「連子格子」が「東塔」には無いことに気が付いた!
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木造部分は完成していたが、基壇が未完成!
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「西塔」と「金堂」
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「金堂」は修二会花会式の最中(3/21〜31)で、堂内に読経が響き渡っていたが、同時開催のはずの奉納行事はことごとく中止!
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待ちに待った〜参列を楽しみにしていた「東塔」落慶法要だが、4月下旬から5月上旬の執行予定が延期となってしまい残念・・・

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2020年03月17日

船場ビルディング

先日某会の例会で、友人の建築家から「私の町散歩〜船場のモダニズム建築」というテーマで講和があり、『船場ビルディング』の存在を知って驚いた!
かつて日本建築家協会の役員をしていた頃よく通った、名建築の誉れ高い重要文化財の『綿業会館』からは2ブロック北と近く、それよりそもそも40年以上建築家として大阪で仕事をしていたのに、これほど魅力的な建築の存在を知らなかったとは・・・
で、早速行ってきた。
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大正13年(1924年)竣工で、1998年に改修

建物正面中央の入口から中庭へスーッと入れるのは、問屋街船場の土地柄から、トラックや荷馬車などを引き込めるように!という機能性を重視したからだって・・・
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細長いパティオ風中庭の吹き抜けが気持ちいい!
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地上5階建てで、エレヴェーターが一機設置されている。
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後で知ったのだが、「見学は事前に申し込み」とのことだった。
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2019年09月23日

奈良公園のホテル

先日、新薬師寺から興福寺へ行く途中、
気になる場所に寄ってみた。
↓ここ_赤い丸のところ!
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浮御堂のある池の南側で、
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敷地東側の道を北へ直進すると東大寺前のT字路に至る。
その軸線上の先に、東大寺の南大門と大仏殿がある。

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敷地南東角から

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西に入る

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リゾートホテル 建設反対!!の看板が上がっている!

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このホテル、隈研吾の設計で、来年春に完成するらしい。
この完成予想図、方向が良く分からない…

この敷地、
元々国の持ち物で市街化調整区域だったところを、
奈良県が2005年に購入、
県は2016年に公園区域に編入すると同時に、
宿泊施設整備計画を策定して民間事業者を公募したのだそうだ。
2018年12月に地域住民56名が「都市公園法に違反している」
として県に提訴するも、県は2019年1月に着工、
8月には近隣住民8人が別件で提訴しているとのこと!
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2019年07月13日

平城宮跡に「南門」を復原

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昨年来、平城宮跡のど真ん中に
鉄骨造の巨大な建造物が造られつつあったが、
これは「南門」復原のための素屋根であった。
・・・その向こうに見えるのは「大極殿」

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「南門」の位置は本map中央の赤い部分!
因みにこのmapのスケールはというと、
南の「朱雀門」のある列の東西長さは約1000m、
その西端から北端まで約700mと推定される。

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建設中の「南門」の前(mapの↓箇所)に立って
南を見ると「朱雀門」が見える!
距離にして450mほどか・・・

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現在この素屋根の中で
伝統工法による「南門」の復原工事が行われており
素屋根の外壁に階段と見学用デッキが設置されて
工事の模様が一般公開されている。

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中の様子・・・まだ上まで上がってきていない。

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下の方を覗くと「円柱」が2本見える。
2022年に完成の予定だ!
posted by yoko at 14:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 建築